2008年08月20日
平成21年度 相続税改正
本日、日本生命主催の相続税のセミナーがありました。経営承継円滑法と自社株の納税猶予と
平成21年度の相続税の改正に伴う論点が中心でした。
このたび検討されている相続税の改正では50年ぶりの抜本改正があり、
これまでの相続税の基本的な考え方や税計算構造が大きく見直されるようです。
● 現在の「総遺産に対する税額の按分方式」
→「個人単位での遺産取得課税方式」に変更する
遺産取得課税方式 ⇒ 相続人毎の相続額から、相続人毎の基礎控除を差引いた残額
に相続人毎に累進税率を乗じて税額を計算する方式。
●基礎控除額の見直し
現行の基礎控除額 ⇒ 定額控除5000万円+1000万円×法定相続人の数
地価公示価格が昭和62年以前の水準まで下落している等、諸般事情に照らすと
法定相続人一人当たりの基礎控除は1000万円が妥当
課税方式の改正や基礎控除の改正だけでもかなりの影響が考えられる
1.各人単位の基礎控除額しだいでは納税者の数は増加。
2.遺産分割の方法次第で相続税の合計が異なってくる。
3.各人毎に累進税率を適用する事になると・・・
(1) 家督を継ぐ人は大幅増税になりがち。
(2) 自社株や事業用財産を継ぐ人は大幅増税に
(経営承継円滑法と自社株の納税猶予の適用を受けたとしても)
(3) 預金など実際価値や収益価値の高い遺産を巡り、
遺産分割協議が今迄以上にシビアに。
(4) 相続土地の評価額がダイレクトに税額を上下させるので、
今まで以上に土地評価に慎重さが求められる。
(5) 配偶者名義の財産が「配偶者の個有財産」である事の立証が必要になる
(6)基礎控除がない法定相続人以外(孫など)に対する贈与が後に否認されれば
相続税追徴分やペナルティー税がより高額になる等のリスクが高くなる
●配偶者の税額軽減制度の見直し
現行は配偶者にはほとんど納税負担がない制度になっているが
一定の相続税の負担が生じる。
●小規模宅地等の特例の見直し
現行は、事業用の土地や居住用の土地を相続した場合は土地の評価減制度があるが
評価対象の土地の面積割合(現行は用途によって最大400㎡)の減額
●農地の納税猶予制度の見直し、未成年者控除等の制度の見直し
現行制度の撤廃
●贈与税の基礎控除の引き下げと課税の仕組みの見直し
現行110万円の基礎控除が60万円に下がると同時に
贈与課税の仕組みを相続と一体として課税する方法に変更
等々・・・相続税の税負担が増加あるいは広く相続税の負担を強いるような仕組みに
改正されるような見直しが検討されているようです。
これらを踏まえて
●「相続税の総額節税対策」ではなく、「相続予定者単位の対策」へ発想を転換する。
●遺言や適格生前贈与・精算課税贈与・保険などを用いた遺産分割対策がより重要となる。
●法人・個人共に計画的な事業承継の整備や綿密な計画と実行を行わないと
事業継承後の支配力や資金力に甚大なる影響を及ぼすことになる。
よりシビアな相続対策が必要になる予感がします。
難しい問題です

2008年08月19日
勉強会 開催
大宮会計事務所では毎月1回、第3木曜日の14時から1時間30分前後で定期的に勉強会を
開催しています。
顧問先向けの勉強会ですが、そうでない方も Wellcome です。
テーマは、月次決算報告書の見方・利用方法、決算書の見方
法人税・所得税の節税方法、利益計画の立て方、経営指標の見方
経営目標の設定、経営計画 初級 中級 上級編、
相続の考え方、相続税の節税方法、経営承継法等など
その時々でニーズに応じて行っております。
今月は明後日、21日木曜日の14時から開催します。
告知が遅くなっていまいましたが、ご都合のよろしい方はご参加ください。
人数に限りがありますので殺到した場合は先着にさせていただきますね

ちなみに来月 9月17日に竜美ケ丘会館(会場は変わるかもしれません)で
18時から開催予定です。
これからより一層景気が厳しくなると思われます。
それに備えて準備を進めておきましょう

2008年08月11日
経営承継法が施行されます!
経営承継法が平成20年10月1日からスタートします。
経営承継法とは正式には
「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」です。
中小企業が経営者の世代交代に伴って生じる遺留分の問題や
資金難の問題、相続税の問題などをスムーズにクリアできる
ことを目的した世代交代のための法律です。
この法律のポイントは大きく3つあります。
1、遺留分に関する民法の特例
後継者が先代経営者からの贈与等により取得した自社株
について、民法の遺留減殺請求によって分散し経営の妨げ
にならないように、全員の合意によって自社株式を遺留分
算定から除外する制度ができました。
2、金融支援措置
代表者の死亡等に起因する経営の承継に伴い、事業活動
の継続に何らかの支障が生じていると経済産業大臣が
認めた中小企業者に、以下の支援措置を講ずる。
①当該中小企業者の資金の借入れに関し、
中小企業信用保険法に規定する普通保険等を
別枠化する。
②当該中小企業者の代表者に対して、
㈱日本政策金融公庫が必要な資金を貸し付ける
ことを可能とする。
3、相続税の課税についての措置
後継者が、旧代表者から相続した自社株式の課税価格の
80%の相続税を納税猶予する制度ができました。
これは経営の承継に伴い事業活動の継続に支障が生じる
ことを防止するための、相続税の課税について必要な措置
を講ずるものであります。
この納税猶予の適用を受ける事業承継相続人は
「法定申告期限から5年間の事業継続要件」を満たす義務
があります。
この5年間の事業継続要件は次のとおりです。
①代表者であること
②雇用の8割以上を維持すること
③相続した対象株式を継続保有すること
(なお、5年経過後も納税猶予対象株式を譲渡したときは、
株式の総数に対する譲渡した株式の割合に応じ
納税猶予額を納付する義務が生じます。)
興味のある方は個別に対応させていただきます。
2008年08月10日
ちょっとお固い話5 1分間当りの利益
もう、9年ほど前になりましょうか「成長の原理」著上原春男
(当時 佐賀大学教授)
という書籍が我々の業界で大変な支持を得ました。
この著者はエネルギーの研究開発の第一人者で、その過程を
中小企業経営者向けにわかりやすく引用した書籍を
出版されました。
今回はその中から時間軸と利益の相関関係を経営という尺度
で示した内容をお知らせします。
企業が毎年成長していくためには当然に利益を
出さなければなりません。
利益とは創造性の総和と考えます。
創造性の総和とは、お客様(売上)と社員(経費)による創造性の
合計をいいます。
そして、企業はお客様と社員の心地よさを追求しなければ衰退
していくといわれます。
それでは、心地よさを常に創造し提供し続けるためには
どうしたらよいのでしょうか。
お金を使えば色々なツールは手に入れることができますが、
保証はありません。
そこで、リスクをかけずに手軽にできる最大の利益算出方法を
お知らせ致します。
それは、社員全員が前期よりも1分間1円の利益増を意識し
目標にすることです。
1分間当たりの利益は以下の計算により算出します。
御社の決算書と社員・パートの人数を基に1度計算して
みましょう。
まずは1年間の売上と利益を1人当たりで計算し、さらに
1分間あたりに直してみます。
1. 年間経常利益÷従業員数=1人当たりの年間経常利益
2. 1人当たりの年間経常利益÷12ヶ月=
1人1ヵ月当りの経常利益
3. 1ヶ月当りの経常利益÷25日(月間稼動日数)=
1人1日当りの経常利益
4. 1人1日当りの経常利益÷8(日間稼動時間)=
1人1時間あたりの経常利益
5. 1人1時間当りの経常利益÷60分=
1人1分当りの経常利益
この考え方を取り入れると決算書が静態から動態へと
移り変わります。
決算利益を数値ではなく、前期よりも1分間当たりで
創造性(利益)が発揮されたかどうかを判断するようになります。
例えば社員5人の会社が年間2,400千円の利益増の目標を
立てたとします。
それは、1人が1日当り1,600円、1時間当たり200円、
1分当たり3.3円の利益の増加を目標にすることになります。
全員が同じ1分当たりの利益をどのように増やすかを目標に
時間を惜しみ効率、効果を考えて行動する。
この意識改革こそが利益を生み出す源
になります。
投資のリスクを負わず社員の意識と行動の変革で昨年よりも
利益が増加するのです。
このことは、まさに社員の創造性が発揮された結果であり
企業の目的に合致するのです。
企業の目的は利益を得るために心地よさを常に創造し提供し
続けることにあります。
社員の考えは、企業の目的を実現するものと一致したもので
なければなりません。
会社はリスクを負っている分、社員も努力しなければ
なりません。
いかに企業の目的と社員のコンセンサスを取り続けていくか
が非常に難しいテーマとなります。
なかなかできるものでない課題であります。
トヨタ自動車の看板方式はこの分単位の
創造性を発揮しています。
最近では、建設業においても作業工程を時間で測定し単価を
決めているところも出てきました。
中小企業零細は人で不足で経営者がすべてやるから
あるいは人に任せられないからできるないと判断し行動に
移しません。
少しでもできる方法を考え(業務の権限、義務の移譲など)
実践していく ここに差別化が誕生します。
2008年08月06日
ちょっとお固い話4 ”誉めるこつ”
今回は”誉める”について紹介します。子育てや社員教育において誉めることが大事だと誰もが
いいますが、私自身があまり誉められて育った記憶が
ないので誉めることの準備がいつも不足してしまいます。
そのために数々の失敗を重ねてきました・・

自戒の意味を込めて”誉める”ことの奥深さを整理してみます。
誉めることは、いつでもどこでも瞬時にできる魔法の武器
と言われます。
女性から「いつもセンスが良いですね」等々のお世辞を
言われたら心が弾み、その日は気分が良く仕事も快調
になりませんか。
ほんの僅かな言葉が相手を良い気分にさせ、自分に対する
好印象を保つことができる誉め言葉。
会社の業績向上に役立つ最強の武器です。
しかし、誉めることは難しいのです。
色々な思いが錯綜しうまく誉め言葉がでてこない。
私がそうなのですが、誉め言葉の持ち合わせと使い方が
上手ではないのです。
逆に相手を傷つける言葉や使い方は無意識に出てくるの
は何故でしょうか。
ある書籍によると、人間はお世辞を好む動物で
お世辞を言われるとウソと分かっていても嬉しがるそうです。
それは、人は「現実の自分」と「本当の自分」を混同して
自己をイメージを作っていて、
現実は”何事も三日坊主、ケチで有言不実行のダメ人間”
であるのに、
心の中では”心優しく、親分肌、努力家、魅力的な人間だと”
願望を込めて作っているのです。
だからウソのお世辞でも、それが本当の自分と信じている
項目に当てはまると嬉しく思うのです。
そして、人は自分に関心を持ってくれる人
にのみ関心を持ちます。
特別な関心を持ってくれると、その人に好意を抱きます。
人の心は己を映す鏡といわれる所以はここに
あります。以上のことを踏まえると私には「誉める」ことの練習が必要となりました。
まずは誉め言葉を大雑把に5項目にまとめます。
①感謝する言葉
②相手を主役にする言葉
③賞賛する言葉
④勇気づける言葉
⑤燃やす(やる気)言葉
次にそれぞれの項目に当てはまる言葉を30ずつ選び、
さらに効果の高さにより10段階を作ってみます。
この作業は考える・見る・話す・聞く・書くという基本動作のフル活用を
行うことになります。
具体的には、
・考える・・・1人ひとり異なる誉め方を熟慮する。
・見る・・・いい点を拡大して見る必要性がある。
・話す・・・言葉を通して相手の心に気持ちよく響く言葉を発する。
・聞く・・・相手の反応を聞き喜ぶ。
・書く・・・自分の誉め言葉をまとめることで誉めることの奥深さを知る。
誉め言葉は相手によって変えていかなければ十分な効果は得られません。
自分の言葉を届けたいと思うなら、様々な言葉を持ち「相手が喜ぶ言葉」
を深く考えることが重要です。
言葉を理解しない植物や水でも言葉のエネルギーに反応します。
いい言葉をかけると花は見事に咲き、水の結晶は美しい形にかわります。
叱る・何も言わない・常に動機づけるどれが良いかは一目瞭然です。
組織の末端まで活気ある職場づくりの鍵は社員間で交わされる言葉です。
行き当たりばったりで言い放つだけでは活気は生まれてきません。
誉め上手になることが業績を向上させる秘訣の一つであると思いませんか




